let me alone

この日はモスクワに一泊し、翌朝から黄金の環をまわるために一旦この街を離れ、帰国前日の昼頃に再び戻ってくるという予定だった。帰国便は夜なのでモスクワでは2日半あることになる。夜行疲れもあるからこの日はあまりうろうろしないでのんびり過ごそう。ということで、また美術館めぐりをすることに。ロシアにはいい美術館が多いので、なんだか絵ばかり見ているようだが、これでもかなり厳選しているつもりだ。


[トレチャコフ美術館(本館)]

まずはトレチャコフ美術館へ。ひとわたり見終わったあと、付属の教会にあるという「ウラジーミルの聖母」を見るべく、見るべく?どこから行けばいいんだ?ガイドブックにはホールの南側通路から行けると書いてあるが、どうにもそれらしい通路は見当たらない。宗教画をあまり好まない俺だが、まあせっかくここまで来たから一応見ておくかということでホールをうろうろする。

しばらくして、あやしげな通路を見つけたものの人の出入りはまったくなく、なんとなく入りづらい雰囲気。まぁ、違ったら怒られるだろうということで、ずんずん入って行く。あれっ、怒られないぞ、と思いつつ人気の無いところをずんずんと進む。途中警備員に出くわすがおとがめなし。

で、辿り着いてしまった。そこは見張り役の若い女性が本を読んでいるだけで、静寂に包まれていた。その女性はチラッと目をあげて俺の姿を確認すると、すぐにまた本に目を落とした。こじんまりとした教会に「ウラジーミルの聖母」はあった。絵って見る場所だったり雰囲気で随分違って見えると思う。宗教画はやっぱり教会で見るのがいいのかななんて思いながら、ぼんやりと見入っていた。

そこへぞろぞろと欧州系ご一行様到着。大きな声で話し、フラッシュで写真を撮りまくる。見張り役の女性も立ち上がり注意する。あー、もう5分でいいからそっとしておいて欲しかったと思いながら、その場を立ち去る俺だった...。

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