いつもと違う旅



ロシアへは前々から行ってみたいという思いがあったが、暖かい季節が非常に短いことと、面倒な手続きが必要であることから、随分と後回しになっていた。日本国籍である俺がロシアの観光ビザを取得するには、現地受け入れ先の招待状とバウチャーが必要である。バウチャーとは滞在中の宿泊先、都市間の移動手段の予約および支払い確認書のこと。

世の中には現地旅行代理店やホテル等とインターネットで直接やりとりしてビザを取得する強者もいるようだが、在日ロシア領事館のビザ発給審査はとても厳しく、少しでも書式が違うと受け付けてくれないとかで、手間暇かけた苦労が水の泡になってしまうリスクもあるようだ。フィンランドやバルト三国へ行ってビザ申請すれば容易に取得できるとの話もあるが、そんな時間もったいないだろ?などと考えているうちにいつも夏が過ぎ去っていた。

が、今年の俺は違った。
一念発起とはこのことか。日本の旅行代理店を頼りにすることに決め、個人ツアーや手配旅行の資料を数社から取り寄せ、検討に入ったのが7月の中旬だったか。手っ取り早く程よいツアーがあれば良かったのだが、どこもモスクワとサンクトペテルブルグのみのツアーばかり。それじゃつまらんということで、やむなく手配旅行へ触手をのばしたのだが、ここで問題が発生。

いつもは、航空券を確保すればよかったし、必要な国へは在日大使館へ出向いてビザをとり、後はガイドブックを買えば準備完了と言う感じだった。宿泊先は現地で確保し、駅やバスターミナルへ行って切符を買って大雑把なルートにそって移動し、気が向けば延泊したり横道にそれることもしばしば。そんな俺に、前もって滞在都市を決め、さらに各都市の滞在期間を決めろと言うのである。
くじけそうになる俺...。

んが、やっぱり今年の俺は違った。
現地の様子もろくにわからないくせに、適当な計画をたてて見積もり依頼。数日後に回答を貰ってその金額にびっくり。しかも「少し訪問都市を減らした方がよいかと」というご丁寧なコメント付き。あー、計画練り直しだ。
ということで、再びくじけそうな俺...。

がんばれ俺。
ということで、ネット上を徘徊してロシアの個人旅行記などを見て、代理店と数回やりとりし、落ち着いたのはすでに8月も中旬となっていた。ここで再び問題発生。希望の日程近辺ではロシア直行のSU便はキャンセル待ちもできない状況。ロンドンのテロ未遂事件のあおりか。
あー、もう...。

ここまできて引き下がれない俺。
なんとか北京経由のCA便を確保(SU便より大分安かった)。そこから正式依頼として申込書やパスポート、ビザ用写真を代理店へ発送。全ての手配が完了して、手元にパスポートとビザとバウチャーが揃ったのは出発の2日前の9月7日だった。

だから俺に計画的に行動しろってのが無理なんだよ...。

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