バスは駅前のターミナルに到着。予約してあったホテルは駅から5分位坂を上ったところにあった。荷物を放り込んで滞在登録を手早く済ませてもらい、あまりすっきりしない空模様の下、ウラジーミルの街を散策する。駅から一番遠い見どころである黄金の門が1km位。その途中ウスペンスキー大聖堂、ドミトリエフスキー聖堂などを見てぶらぶらと3時間程度で駅に戻る。そこから近郊列車に乗って15分のところにあると言うポクロヴァ・ナ・ネルリ教会へ。と思いきや、次の電車は2時間後。なんか田舎街にやって来たことを実感し、嬉しくなる俺...。
[2時間待った近郊列車]
電車に乗り込んで通路を挟んで反対側の席に座っていた御夫人に「ここへ行くんだ」とガイドブックの写真を見せる。海外でバスや電車に乗る時は大抵近くの人に行き先を伝えておくことが多い。ひとつは、乗った電車やバスが目的地へ行くことを確認する意味と、もう一つは下りるところを教えてもらうという意味がある。この御夫人はちらっと写真を見て軽く頷いただけで目を合わせようともしてくれず、「あなたとは関わりたくないのよ」というようなオーラを感じた。所詮一人旅なんてものは現地の人々の親切をあてにした図々しいことこの上ないものだから、文句を言える筋合いはないが。
[ずいぶん遠くに見えるけど片道20分位だったかな]
ガイドブックには二つ目の駅の右側の野原の先に教会が見えると書いてあった。右側の席で窓からそれを確認して、次の駅だなと思っていたところに、件の御夫人がすくっと立ち上がって俺のところにやってきて遠くに見える教会を指差す。「あなたが行くのはあそこに見える教会だから次の駅で下りるのよ」(ロシア語)とでも言ったのだろうか。すぐにまた自分の座っていた席に戻って、「関わりたくないのよ」オーラを出すのだった。冷たく感じていた御夫人がわざわざ席を立って教えてくれたことが妙に温かく感じた。電車を下りる時に俺はその御夫人に「スパスィーバ(ありがとう)」と言ったが、反応は無かった...。
[ポクロヴァ・ナ・ネルリ教会]
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