交通のおはなし

これまでにやれSkytrainだのSeabusだの市バスだのと書いてきたが、その料金システムは日本と大分異なるので、ここらで説明しておこう。これらは全てBC Transitという会社がやっていて、料金はゾーン制になっている。起点から近い所は1Zone、ちょっと遠いのが2Zone、けっこう遠いのが3Zoneとなる。当然遠くなる方が運賃が高いわけだが、OffPeak運賃というのがあって平日6:30以降と土曜、日曜、休日は1Zone運賃でどこまでも行ける。一度切符を買うと、90分以内なら何に乗ろうが、乗継ごうが自由。市バスの場合は運転手に乗継ぐことを伝えると、乗継ぎ用のチケットがもらえる。以前書いたNorthVancouverへ行った時の運賃を例にあげると、Skytrain、Seabus、市バスを乗継いでも90分かかってないので、行きはPeak運賃2ZoneでC$2.25。帰りはOffPeak運賃なのでC$1.50。なんか申し訳なくなってしまう。



俺の住むMetrotown駅から学校のあるDowntownまでは2Zone。往復でC$4.50だが、定期券を買っている。2Zoneの定期券はC$78.00/月。そんなに割安感は無いように思えるが、この定期のおかげでほとんどどこでも行けてしまう。さらにOffPeak時間なら行けないところはない。定期を見せるのは市バスに乗る時と検問の時だけ。なんて便利な定期だろう。日本の交通システムが妙に面倒くさく思える。

Skytrain、Seabusは改札が無い。切符を買わなくても乗れるのだが、時々検問をやっていてつかまると結構なおしおきがあるようだ。日本人なんかは強制送還になるなんて話も聞いた。車の免許を想像していただければいい。別に免許がなくても車に乗れるが、検問でひっかかるとおしおきがある。それと同じことだが、よく採算がとれるものだ。出口には立派な切符の回収箱がある。切符を拾えばけっこう乗れてしまうからだろう。



さて俺がもっとも利用しているのがSkytrain。モノレールのようなもので、同じ所を行ったり来たりしてるだけ。通勤通学時間には2分~3分おきくらいに来る。4車両くらいかな。列を作って待つということはなく、横はいり自由だが、不思議と混乱はおきない。一応ラッシュはあるのだが、ぎゅうぎゅうづめになることはない。ちょっと隣の人の肩があたるかな程度。というのもこっちの人は無理に乗ろうとしない。乗れるまで2本でも3本でも待つのだ。俺の住むMetrotownではほとんど乗れないということはないが、Downtownが近付くと一人も乗れないこともある。こんなんで会社に間に合うんですかね...。金曜の夜でもほとんど酔っぱらいを見たことが無い。バンクーバーは治安がいいと言っても、酔っぱらってホームや電車で寝れる程ではないということだろう。

Skytrainに乗ってると他人同士が陽気に話しているのを良く見かける。先日あった、微笑ましい話をひとつ。俺の隣にはサラリーマン風の男が座っていて、後ろには子供を抱いた女の人とナッツをつまんでいるおばさんが座っていた。このおばさんが子供をからかいだして、ナッツを差し出しながら「何がほしいんだい。」と大きな声で話しかけていた。すると突然サラリーマン風の男が振り向いて「あたたかいコーヒーが飲みたい。」と言ったのだ。あたりは大爆笑。ここですかさず俺が「すみません。今水しかないんです。飲みますか?」と持っていた水を差し出せれば、俺の英語もたいしたものだが、まだそんな瞬発力はない。ジョークにはタイミングが大事だ。ちぇっ。

次いで利用するのが市バス。以前「次は~です」というアナウンスが無いと言うはなしは書いたが、これが雨の日は大変で、窓が曇っていて外がよく見えないのだ。そんなわけでとうとう乗り過ごしをやってしまった。先日市バスに乗って遠くのスポーツ専門店にスノーボードを見に行った時の話しをひとつ。バスに揺られること20分くらい。乗客は俺ともう一人だけ。目的地に着いてスノーボードを見たが、予算より高いのしか無く引き返すバスに乗ると、それは行きと同じ運転手が折り返して来たところだった。俺の顔を見るなり「もう用事は済んだのかい?」とにっこり。

というわけでこの辺の人は結構(かなり)のんびりしていて、ジョーク大好きと言った感じだ。俺も大分そのペースに慣れて来たかな。日本でぎゅうぎゅう詰めのバスにやっとこ乗ったあげく、運転手に「横が見えないからもっと後ろにさがって」と不愛想に言われてたのを思い出す。はたして日本の首都圏で社会復帰できるのだろうか。今は考えまい...。

おまけ:毎朝使うSkytrainのBurrard駅(地下にある)の昇りのエスカレータは二つあるが、その内のひとつが壊れたようだ(階段は無い)。朝はさすがに渋滞する。修理の作業はしているようだが、もうひと月になる。これものんびりしているからだろうか...。

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