クリスマスのおはなし

25/Dec/1998(Fri)

12月にならないうちから、クリスマス飾りがあちこちに出始める。ビルや店はもちろんのこと、一般の家でも窓枠にはマメ電球がならび、庭の木にも飾り付けをし、窓際に置かれたクリスマスツリーが外から見えるようにカーテンを開けてあったりする。Skytrainの駅ではストリートミュージシャンがJohn Lennonのクリスマスソングを3人で綺麗にハモってたりするので、嫌が上でも気分は盛り上がってくる。

クリスマスイブは友人知人を呼んでホームパーティ、当日は教会に行ってなんていうのが一般の過ごし方のようだ。友人はほとんどホームステイだが、どんなクリスマスだったのでしょう。

Akko(仮名)「ホストファミリーの子供と雪合戦して御馳走食べた...」(ここのホストマザーは日本人)

Toyo(仮名)「うちのホストファミリーはクリスチャンじゃないから、いつもよりちょっと御馳走だったくらいであとはべつに...」

Pablo(仮名)「教会に行ったけど、俺とは宗派がちがった...」(彼はクリスチャン)



なんか思ったより面白い話は聞けなかった。

さて俺は当日ホームステイの連中には遠慮して一人でGrouseMountainへスノボーに出かけた。雪が降っていてホワイトクリスマスだ。思った通り空いている。御機嫌に滑っていたが、リフトに乗っていてふと気がついた。首にかけていた財布がない。じゃじゃじゃじゃ~ん。中に何が入っていたか考える。家の鍵、大家に言えば開けてくれるだろう。お金、たいした額は入っていない。リフト券、この際どーでもよい。友人の電話番号、また聞けばいいや。カード、持って来てない。その他含めて特に無くして困るものは何もないが、ど~やって家に帰りましょう。雪はがんがん降っているので、もう埋まってしまってるかもしれない。そんな事を考えつつリフトを降りる。とりあえず係員に聞いてみた。

俺「財布落としたんだけど知らないか?」
係「お~まいが~。そいつは大変だ。とりあえず山頂の事務室に行ってみな。でもこの雪じゃな~」


そんなこたぁ~俺も分かってる。しくしく。ひょっとしてと思ってゆっくりとゲレンデを滑り降りる。やっぱりない。リフトの下の係員にも聞いてみた。

俺「財布落としたんだけど知らないか?」
係「お~まいが~。そいつは大変だ。とりあえず山頂の事務室に行ってみな。でもこの雪じゃな~」


面白いほど同じことを言ってくれるじゃないか。ちくしょ~。仕方ないので山頂の事務室へ。

俺「財布落としたんだけど知らないか?」
事「お~まいが~。そいつは大変だ。で、どんな財布だ」
俺「茶色で、首からかけるやつで、中にお金C$50位とリフト券とカギとドライバと...」
事「おまえはすごくラッキーなやつだ。きっとサンタクロースの贈り物だ」


おもむろに引き出しから俺の財布を出してくれた。中のお金も無事。やれやれだ。

後日学校の先生のこの話をすると、財布を落として見付かっただけでなく、中身が無事だったというのはとてつもなくラッキーなことらしい。この歳になってサンタクロースに感謝するとは思わなかったが、その後風邪をひいて3日間くらい寝込んだ。やっぱりサンタクロースは子供のものだ。

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